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Education

 学校長あいさつ


■第1学期終業式 式辞

皆さん、おはようございます。

「夢のため 努力せずして何をする 神に誓わず己に誓え」と、2年生のある生徒さんが短歌に力強く詠んでスタートした1学期も、早や終業式を迎えました。

しかし、やはりあまりにも身近な所で起こった集中豪雨による災害について、思わずにはいられません。避難所から通う野球部員がいる朝倉光陽高校と朝倉高校との、先週12日(水)に行われた試合の様子が、その夜のNHKのニュース番組の中で全国版で放送されました。まだ避難所生活を強いられている方も多く、復旧は夏の暑さの中、これから始まったばかりです。

私も校長として緊急時の対応の在り方について、深く考えさせられました。どうしようかと考えているうちに重大事態に陥る。何年も校長をやっているなんて全く関係ない。緊急時の、まさにその時に、どのような判断を下していくのかが問われているということ。まさに今が緊急時であると意識できるかということなど、改めて校長という職の重さ、責任の重さを痛感したところです。

さて、3年生は先日最後のクラスマッチを終え、部活動も多くの生徒が引退し、いわゆる「切り替える」という節目を経験しているところであろうと思います。この「切り替える」ということについて、わかり切ったことではありますが、一言ふれます。本日の式辞のテーマは、“No challenge, No life."です。

過去に出会った別の高校の生徒さんがこんなことを話していたのを思い出しました。その男子生徒は部活動をしていたんですが、彼の言葉で言うと“ゆるい"練習をしていたので、部活動をしながらも、ある程度自分のペースで勉強ができた。ところが、周りのしっかりと部活動に取り組む生徒を見ると、現役を引退して、これから切り替えて、勉強に集中できる環境になると、凄い力を発揮するんだろうなぁと思う。自分は自分のペースで勉強ができてきたので、「切り替える」という感覚がわからない。周りの部活生が切り替えて、勉強に集中した時に、怖い存在になるなぁ、成績も抜かれていくんじゃないか、ということを彼は言っていました。

私は、この「切り替える」というのが、とても大切な節目であって、切り替える時に最大出力というか、バーンとエネルギーが出てくるのではないかと思う。それは、「切り替える」という場面に出くわした時に、「覚悟」というものが決まるからではないかと思う。「覚悟」が決まった時に、凄いエネルギーが生じるのではないかと思っています。

3年生は、部活動を引退して「覚悟」を決め、もう一度、大運動会を学校全体のリーダーとしてやり終えた9月に「覚悟」を決める、切り替える時がある。部活動を引退し、きっちりと自分の受験生としてのレールを敷き、スタイルをつくり、運動会の練習に入っても崩れないレールを敷き、第51回の記念すべき大運動会をリードしていただきたいと期待しています。

まさにこのような時、夏休みを前にして、今、ちょうどこの時期の支え、道しるべとなるのが「進路のてびき」であろうと思います。

先日、私の大好きな「進路のてびき」の本年度版が先生方の尽力と3月卒業生の協力によりできあがり、皆さん、さっそく手にして、食い入るように数字を確認し、合格体験記を読み込んだのではないかと思います。

特に、合格体験記は目標達成のための“秘伝のタレ"であり、先輩からの愛情に溢れた贈り物に思えます。合格体験記を読んでみると、先日言いました、本来の意味とは違う意味での「神は細部に宿る」ということを意識し、細部まで手を尽くした人が合格を手にし、目標を達成しているということを感じます。

あそこには、部活動に打ち込んだ人もいれば、運動会でリーダーを務めた人もいる。進路で迷い、悩んだ人もいる。けれども、主体的に自分が取り組んだことで、それに応じた結果を得ることができたということをメッセージ、エールとして送ってくれていると思います。皆さんはそれを読み取り、くみ取り、日々に生かして実践していただきたい。

与えられるものを待つのではなく「主体的に動く」ことが大切であるということを、受験の3年間をとおしてつかむことが凄いことだと思う。つまり、大学に進んで研究をする、社会人になる。そこには教科書がありません。教科書がない中で、どうやったら目の前を切り開いていくことができるのか、その答えをつかんでいくことが明善生の強さだと思う。それを窺い知ることのできる実にレベルの高い誇るべき合格体験記であり、私の巻頭言などは、合格体験記に比べれば、恥ずかしながら吹き飛んでいます。

さらに、もうお一方、先輩の話を続けます。劇団四季の俳優、芝 清道さん。豊かな声量とパワーが持ち味で、「オペラ座の怪人」では怪人を演じられ、来月8月からキャナルシティ劇場で上演される「リトルマーメイド」では主人公の人魚姫アリエルの父であり、無敵の海の王様トリトンを演じられます。

芝さんは明善を昭和56年(1981年)3月のご卒業で、ご縁があって5月に2回、お会いしてお話をする機会を得ました。まず、何と言っても「本物は凄い」というのが強烈な印象です。明善時代は、もちろん演劇部員として活躍されました。

私は芝さんに「生徒たちがコツコツと勉強している。それで大学で学び、例えば研究者になるんだ、医者になるんだ、法律関係に進むんだなどということは、今の延長の上にイメージでき、持つことができる目標です。しかし、なかなか芝さんのお仕事というのは、生徒が今勉強している延長線上ではイメージしにくいだろうと思うんです。」と話を向けますと、芝さんは、「今、私は演技をしているけれども、人間力で勝負しています。その人間力のもとは、明善での3年間の高校生活です。」と言い切られれました。「勉強は勿論ですが、例えば生徒会活動をした、美化コンクールがあって、日ごろは掃除してないけれども、よし、この時だけは1番にならなきゃいけないぞなんてクラスで話し合ってやったんだ、というようなこと。その後の人との出会いの中で学んだこと。読書、本を読んで教養を蓄えたこと。こういうことが全て積み重なって今の私があり、それで演技ができているんです。ですから、とにかくやってみること。今、高校から大学時代にチャレンジしていない者は、社会人になって環境が変わったからと言ってチャレンジできるわけではない。チャレンジしようというスイッチが育っていないので、「そこそこでいいか」という意識が働くからです。」とおっしゃいました。

皆さんの先輩、劇団四季の様々な作品に欠かせない存在と評される芝さんから、現役明善生への応援の言葉です。

それでは最後に、今日はまとめらしいまとめです。ある文章を紹介します。

「自分の母校である明善高校でこのような貴重な経験をさせていただいたことは、やはり卒業生として感慨深く、高校生の頃から実習生として明善高校に戻ってくるのは一つの目標だったので嬉しい限りです。

生徒達は本当に素直かつ真面目で、人のことを考えられる生徒達でした。勉強にも部活動にも行事にも、一つ一つの事を全力で取り組む姿勢を見せられた私も、負けずに頑張らなくてはいけないと思いました。生徒達を見ていると、自分が高校生だった時のことを思い出し、本当に恵まれた環境で勉強させていただいたのだなと感じました。明善高校で出会った仲間とは大学生になった今でもよく会っており、一生の仲間を見つけられたと思っております。ぜひ、生徒達にも、ここでの出会いを大切にしてほしいなと思います。」これが、6月、教育実習生の目に映った明善生の姿です。

故に、もう一つ続けて引用で申し訳ありませんが、「3年間、何事にも一生懸命に、濃密な時間を過ごす」明善生である。「キミたちのような人間が将来を担っていかないといけないと思う」。「部活もがんばる。行事もがんばる。友だちと協力して、困難に立ち向かうこともできる。「くだらない」「意味がない」と言い訳しながら、逃げたりしない。私は、そんな若者たち(*原文は「子どもたち」)に、世界の将来を担ってもらいたい」

この言葉も、ある高校の校長先生からの借り物ですが、私の明善生に対する思い、期待と寸分違わぬものでありますので、引用させていただき、式辞の結びといたします。

それでは、今日から39日後の8月28日(月)の始業式の日に、大きな事故や怪我などなく全員がここに揃うことが第一。その上に、夏休み38日間を学習を柱に部活動、大運動会の準備に、また、学期中にはできなかったことなどを経験しながら、自信に溢れた姿を見せてくれることを楽しみにしています。

平成29年7月20日

学校長  長 俊一 (ちょう しゅんいち)